海辺のカフカ
君はこれから世界で1番タフな15歳の少年にならなくちゃいけないんだ
村上春樹の代表作「海辺のカフカ」の名台詞です。
いつもつらいこと、苦しいことがあったときはこのセリフを思い出します。
教師という仕事は楽しいですが、つらい仕事です。
昨日はある電話をたまたま僕が受け答え、ものすごい怒鳴り声のクレームを対応しました。
今日はそれなりに準備してきた体育の授業が全然面白くなく、子どもたちの反応も今ひとつでした。
このように、日々それなりのダメージを受ける仕事なのです。
しかし、それでも前を向いていかなくてはいけません。
教員採用試験を受ければ時にこんな質問を受けます。
「教師に1番必要な力は何ですか?」
この質問に対して、若い僕は「笑顔」と答えていました。
この答えは今でも変わっていません。
しかし、仮にもう一つ答えていいとなったら、きっとこう答えるでしょう。
「タフさ」
だと。
教師は子どもたち、保護者、同僚、教育委員会と、たくさんのステークホルダーと接する仕事です。しかもご存知の通り、体罰は当然、セクハラ、パワハラなども厳しい環境です。
そんな忙しく鎖に繋がれた日々、時には「笑顔」を失ってしまうときもあるでしょう。
そんな日々に打ち勝つには一つしかありません。精神的に「タフ」になるしかありません。
海辺のカフカの主人公「カフカ少年」は15歳です。
まだ少年ながら、家出、性行為、根源的な悪との対決など、たくさんの戸惑いや苦しみを抱えつつ成長していきます。
そんなカフカ少年に敬意を表し、僕にもこう言わせてください。
「世界で一番タフな30歳の成年になるんだ!」
思い込みで強くなる!
世の中というのは痛みや苦しみ無しでは生きていけません。人間なら一回ぐらい「死にたい」くらいの想いをしたこともあるでしょう。
しかし、痛みや苦しいというのはタフになるための準備だと思うのです。思えば、世の中はそんなふうにできています。
例えば、筋トレ。
筋トレの目的は筋肉を強くすることです。しかし、筋トレの手段は筋肉を疲労させることです。筋肉とは負荷をかけるとそれに負けないよう、以前より強くなる性質があるのです。その性質を利用しているのが筋トレです。筋肉に痛みを苦しみを与えることによて、結果的に強くなれるのです。
あとは「バネ」に例えてもいいかもしれません。
バネは伸びる前に一回縮みます。その「縮み」にギリギリまで負荷をかければかけるほど、ビョーンと反発が強くなります。そう、バネは負荷をかけることによって一度は縮んでしまうのです。しかし、そのパワーが解き放たれたとき、今までの苦労から開放された如く、力強く伸びるのです。与えられた負荷が力になるー、これって人間もそうですよね。
だからこそ、タフになりたくば、負荷は大切な条件なのです。
ましてや、世界一タフになるたくば、世界一の負荷が必要なのかもしれません!
もし、今あなたが相当の負荷を背負って生きているのならば、それはあなたがタフになるための大切な時期なのかもしれません。
少なくとも僕はそう思い込んで生きています。
そう思い込めば、適度な負荷はかえって自分のタフにさせるためのスパイスだということがわかります。
ナカタさん?
海辺のカフカはたくさんの価値に溢れた素晴らしい作品です。カフカ少年もいいですが、ナカタさんという人物も素敵です。今回は書評がメインではないので、詳しいことはまた次の機会にお伝えします。
さぁ、まだまだ忙しい日々が続きます。
でも、世界一タフになって、共に頑張っていきましょう!!!